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男性の袴のたたみ方|正しい手順と保管のコツを徹底解説

By Isabella Campbell |
男性の袴のたたみ方

袴を着た後、どうたためばいいのか迷ったことはないだろうか。卒業式や成人式、剣道や弓道の稽古、あるいは神前式——袴を着る機会は男性にとっても意外と多い。しかし、着るよりもたたむほうが難しいと感じる人は少なくない。正しくたたまないと、折りジワがついたり、生地が傷んだりして、次に着るときに後悔することになる。この記事では、男性の袴のたたみ方を種類別に丁寧に説明していく。

まず知っておきたい|男性の袴の種類と構造

たたみ方を覚える前に、自分の袴がどのタイプかを把握しておく必要がある。男性用の袴には主に二種類ある。「馬乗り袴(うまのりばかま)」と「行灯袴(あんどんばかま)」だ。

馬乗り袴は、股の部分が二つに分かれたキュロットのような構造を持つ。武士が馬に乗るために発展した形で、武道や神職、伝統的な和装の場でよく用いられる。生地がしっかりしており、ひだの数も多い。一方の行灯袴は、筒状でスカートのように股が分かれていない。軽くて動きやすく、卒業式などで着用されることが多い。

たたみ方の基本は共通しているが、股下の処理が異なる。自分の袴がどちらかを先に確認してから作業を始めよう。

たたむ前の準備|見落としがちな大切なステップ

いきなりたたみ始めるのは禁物だ。着用後の袴には、汗や皮脂、外気の湿気が染み込んでいる。そのままたたんで保管すると、カビや虫食い、色あせの原因になる。

まず、着用後はすぐにたたまず、ハンガーにかけて風通しの良い場所で陰干しをする。直射日光は色あせを招くため避けること。1〜2時間ほど干すだけで、湿気がかなり飛ぶ。次に、表面についたホコリや小さなゴミを、柔らかいブラシか乾いた布で軽く払う。汚れが目立つ場合は、専門のクリーニング店に出すのが無難だ。

作業台は広く、清潔な場所を選ぼう。畳の上や大きなテーブルが理想的。床に直接広げると、袴に汚れがついてしまうことがある。

袴の陰干しと保管方法

男性の袴のたたみ方|基本の「本だたみ」手順

袴の基本的なたたみ方は「本だたみ」と呼ばれる。ひだを丁寧に整えながらたたむことで、次に着るときにシワなく美しく着用できる。以下に手順を詳しく説明する。

ステップ1|ひだを整える

袴を広げ、表側を上にして平らな場所に置く。前側のひだ(前紐側)をまず整える。ひだは袴の正面に5本、後ろに2本ついているのが一般的だ。指でひだの折り目をなぞるようにして、一本ずつ丁寧に整えていく。ここを雑にすると、たたんだ後にシワが残るため、時間をかけてもいい部分だ。

ステップ2|左右を合わせる

ひだが整ったら、袴の左側を右側に重ねるように二つ折りにする。このとき、縫い目や端が揃うように意識する。馬乗り袴の場合は、股の部分を内側に折り込んでから二つ折りにする。行灯袴はそのまま二つ折りにすれば問題ない。

ステップ3|三つ折りにする

二つ折りにした状態から、さらに縦方向に三つ折りにする。裾の部分を上に向かって折り上げ、次に腰の部分を下に向かって折り下ろす。三等分になるよう均等に折るのがポイントだ。折り目の位置が不均等だと、保管中にシワが集中しやすくなる。

ステップ4|紐の処理

前紐と後ろ紐をきれいに処理することも忘れてはならない。前紐は長さがあるため、折りたたんだ本体の上に十字になるように巻きつけて固定する。後ろ紐(後ろ板のついているもの)は、本体の下に折り込むか、前紐の内側に収める方法がある。紐がバラバラのまま保管すると、絡まったり折り目がついたりするため、すっきり収めることが大切だ。

袴の紐のたたみ方

馬乗り袴のたたみ方|武道や神職向けに特化した手順

馬乗り袴は股下があるため、行灯袴よりも少し手間がかかる。特に股の部分をどう処理するかが、美しい仕上がりのカギになる。

袴を裏返して股下の縫い目を確認し、両足の筒を重ねるように内側に折り込む。このとき、縫い目がきれいに重なるようにするのが理想だ。折り込んだ後は表に戻し、通常の本だたみと同じ手順で進める。剣道や弓道など武道で頻繁に使う場合は、この手順を何度か練習すれば自然と覚えられる。

武道用の袴は木綿やポリエステル素材のものが多く、絹の袴に比べて扱いやすい。ただし、木綿はシワになりやすいため、たたんだ後にアイロンをかける習慣をつけると仕上がりが格段に良くなる。

行灯袴のたたみ方|卒業式・成人式で着用した後に

卒業式や成人式で着用する行灯袴は、絹や化繊で作られていることが多い。デリケートな素材のため、扱いには注意が必要だ。

行灯袴の場合、股の処理が不要な分、ひだの整え方により集中できる。前ひだを丁寧に整え、左右を揃えて二つ折りにした後、三つ折りにする基本手順は馬乗り袴と同様だ。絹素材の場合は、折り目に薄紙(和紙や半紙)を挟むと、摩擦による光沢の変化を防げる。レンタル品の場合は、返却時の状態について貸し出し元の指示に従うことが重要だ。

保管方法|たたんだ後の正しいしまい方

せっかく丁寧にたたんでも、保管方法が間違っていては意味がない。たたんだ袴は、桐箱や和服用のたとう紙(たとうし)に包んで保管するのが理想だ。たとう紙は湿気を吸収し、虫食いを防ぐ効果がある。

収納場所は、湿気の少ない場所を選ぶ。押し入れの上段や、通気性の良いクローゼットが適している。防虫剤を使う場合は、着物用のものを選ぶこと。市販の防虫剤の中には、和服の生地や染色に影響を与えるものがあるため注意が必要だ。

長期間保管する場合は、年に1〜2回、たとう紙から取り出して陰干し(虫干し)をすることが推奨される。特に梅雨明けや秋の晴れた日が適している。この一手間が、袴を長持ちさせる最大の秘訣だ。

着物のたとう紙と桐箱での保管

よくある失敗と対処法

袴のたたみ方で多い失敗のひとつが、ひだのズレだ。ひだをきちんと整えないまま折ると、後から取り出したときに折り目がついてしまい、アイロンで直す必要が生じる。絹素材の場合はアイロンの温度設定を低くし、当て布を必ず使うこと。

もうひとつの失敗は、紐をきつく縛りすぎることだ。前紐を強く巻きつけると、布地に紐の跡がついてしまう。軽く固定する程度で十分だ。ゆったりと包み込むイメージで処理すると良い。

カビが生えてしまった場合は、自己処理せずに専門のクリーニング店へ持参するのが最善だ。和装クリーニングに対応した店舗を選ぶと、生地を傷めるリスクが低くなる。

レンタル袴の場合はどうする?

卒業式や成人式でレンタルした袴の場合、返却前に自分でたたむ必要が生じることもある。ただし、レンタル業者によっては「そのまま返却してください」と指示している場合もある。業者の指示を最優先にすることが大切だ。

もし自分でたたんで返却する場合は、上記の本だたみの手順に従い、ひだを整えてから折りたたむ。シミや汚れがある場合は、正直に申告することが礼儀であり、後のトラブルを防ぐことにもつながる。

袴のたたみ方を動画で学ぶメリット

文章と写真だけでは分かりにくいと感じる人も多い。実際、袴のたたみ方は手の動きや角度が大切なため、動画での学習は非常に効果的だ。和装専門店や呉服店が公式チャンネルで解説動画を公開していることも多く、検索すれば複数の動画を比較しながら学ぶことができる。

特に初めて袴をたたむ人は、一度動画を見てから実際に手を動かすと理解が深まりやすい。最初は少し時間がかかっても、2〜3回繰り返すうちにスムーズにできるようになる。

まとめ|丁寧にたたむことが袴を長持ちさせる

男性の袴のたたみ方は、種類によって若干の違いはあるものの、基本の流れは共通している。ひだを整え、左右を合わせて二つ折りにし、三つ折りにして紐をきれいに収める——このシンプルな手順を丁寧に行うだけで、袴の状態を長く良好に保つことができる。

着た後の一手間を惜しまないことが、大切な袴を守ることにつながる。次に袴を手に取るとき、ひだがきれいに整ったまま出てくれば、その達成感は格別だ。卒業式や成人式、武道の稽古——どんな場面で着た袴であっても、正しいたたみ方と保管で、その一着を末永く大切にしてほしい。